家族葬とは、一般参列客を招待せず親族を中心に行う葬儀形式のことを言います。そのため気心の知れた人とともに落ち着いて故人を偲ぶことが出来ます。
しかしながら、どれだけ親しい間柄であったとしても、葬式なので守るべきマナーに従わなければなりません。今回はその家族葬に参列する際のマナーをマスターするために、何に気を付けなければならないかの例を挙げていきます。葬儀の流れや迷惑にならないような配慮が必要なので、知っておく必要があるでしょう。
お知らせ状などに「葬儀は家族葬で行います。」と書かれていたり、葬儀日時が伏せられていた場合は、一般的に参列することはは出来ません。なお、自分が親族の場合や特別に招待されるような深い友人関係であった場合には、他にお知らせが届くことになるでしょう。
また、お知らせの来ていない人を家族葬に誘うことはマナー違反となってしまいます。「故人と仲の良かったあの人と一緒に参列したい。」と思うこともあるでしょう。しかし安易に誘うことは出来ず、まずは遺族に確認を取り、式場の都合などもチェックしてからでないと誘えません。さらには遺族に提案する人数もせいぜい一人か二人にとどめなければなりません。どこまでも誘う人を増やしてしまうと葬儀の予定や流れが狂い、かえって迷惑になってしまいます。家族葬と言われたら比較的カジュアルなイメージを持ってしまうかもしれませんが、親しい仲にも礼儀ありです。
家族葬の服装は、一般的な葬式と同じブラックフォーマルを着用するのが基本です。ビジネススーツのような光沢のある素材のものではなく、光沢のない地味な色味でなるべく無地のものを着るのが望ましいです。女性の場合は目立ちすぎなければ、チェック柄や水玉模様の入ったもの、多少の装飾のついた礼服も可能です。
ただしお知らせ状に「平服でお越しください。」と記載されているケースもあります。これは普段着というよりも、葬式の場に合った格好であれば特に指定されていないことを指します。家族葬と言われたら親しい人が参列するので、喪主の判断次第では平服になる可能性もあるのです。お知らせ状に服装の指定がないかどうか確認しましょう。
服装と同様に、香典についてもお知らせ状をよく確かめてから用意しなければなりません。
「香典・供花の儀は固く辞退いたします。」
などとあった場合は香典はもちろん、お花もお供えしてはいけないのです。
それでも何も用意しないのはまずいと思ってしまうかもしれませんが、仮に念のため香典を用意したとしても受付すらない可能性があるため、注意が必要です。
受付していない時に持ってこられても、お気持ちはありがたいですがかえって迷惑になりかねません。自分の気持ちよりもまずは遺族側を優先させることが大事ですし、想定していない香典をもらってしまっては準備も何もしていない香典返しを用意しなければならなくなるからです。ですのでこれもお知らせ状をよく確認しましょう。
家族葬に参列できない場合は、香典の確認のほかにお悔やみの電話や葬儀後の弔問にも気を付ける必要があります。家族葬と言われたら、遺族は他の人に気を使いたくないんだなと察してあげることも大事です。
故人との別れをゆったりと過ごしたいのに、お悔やみの電話がどこまでも来てしまっては台無しです。お悔やみの電話は葬儀後の落ち着いたころを見計らうようにしましょう。
また葬儀が終わったからといって確認もとらず弔問をしてはいけません。弔意を表したい気持ちはわかりますが、葬儀の流れや喪主や遺族の置かれている立場や事情を深く考慮して、まずは弔問しても良いか電話で尋ねましょう。このように、喪主や遺族が何をどこまで望んでいるのかを考え、理解しようとすることが大事です。