結婚式は1年ほど前から計画を立てるため、式が行われる数か月前には招待状が自宅に届き、出席することを確認されることが多いです。ですが家族葬などの葬儀や身内に不幸が起こるのは直前のことがほとんどであり、中には結婚式と家族葬がバッティングしてしまうこともあります。
急に決まることであるのでそのまま結婚式に出席をしたほうが良いように感じますが、家族葬もまた故人と最後のお別れをする式です。結婚式と家族葬がバッティングをした場合どちらを優先したほうがよいのか、香典やお祝いの品は持参したほうが良いのかなどをしっかりと考えなくてはなりません。
慶事はおめでたい行事のことを指しており、出産や結婚式などを総称し、慶事で行われる代表的なお祝いが披露宴や結婚式になります。結婚式などの慶事はおめでたいことであるのでやむを得ない理由がない限り出席をしなくてはなりません。一方の弔事は通夜や家族葬などの葬儀、法事などお悔やみに関してのことを総称します。直前になって予定が決まることが多く葬儀は故人と最後のお別れの儀式であり、結婚式と同じように参列するのが基本です。
どちらも出席するのが望ましく出席することがマナーとなりますが、慶事と弔事がバッティングした場合は故人と最後のお別れをするためにも、弔事の葬儀に参列することを優先することが多いです。
葬儀に参列できなかった場合はお悔やみの気持ちを込めて弔電を打つようにし、改めて後日香典を送るようにします。
家族葬と結婚式のどちらに出席をするかは、亡くなった人や結婚をする人との関係が大変重要であり、自分にとってさほど親しい間柄でない場合は結婚式に、逆に身内に不幸があるなど、近しい人である場合は出席をキャンセルし葬儀に参列をします。
身内に不幸がある場合など、出席できない理由がはっきりとしている時は出席をキャンセルしたとしても、相手に不快な思いを与えることはありません。参加できなかった場合は、落ち着いたら訪問してお詫びをしお祝いの品を送ることが大切です。これは慶事の場合、事前に料理や引き出物などの用意をしているため突然のキャンセルは相手に迷惑をかけることになるからです。
なお家族葬に参列しない場合は遺族の心情を考え、慶事に参加することは伝えないようにし、香典をお渡ししお悔やみを伝えるのみにします。
結婚式の準備はある程度の期間を経て行われることが多く、準備中に身内に不幸が起こり、喪中や忌中になってしまうこともあります。この2つは身をつつしむ期間を意味しており、宗教や宗派によって異なりますが忌中は四十九日法要まで、喪中は亡くなってから1年間をさすことが多いです。身内に不幸が起こった場合は自らが身をつつしむ期間に入るため、期間中は結婚式などの慶事は避けることが基本になります。特に忌中は穢れである死を忌む期間という意味であるため、延期しなければなりません。
なお近年では喪中に式を挙げることもありますが、この場合は事前にしっかりと家族や親族と相談をし、予定していた規模よりも小さく行うとトラブルを防ぐことができます。
礼服は冠婚葬祭すべてに着ることができます。結婚式を行っているまたは直前に葬儀の予定が入った場合、もしくは同じ日にどちらも行う場合、服装は礼服であればどちらでも構いません。ただし、男性の場合はネクタイや靴下は白から黒へ変更することが大切であり、慶事でチーフやカフスなどを付けている場合は外さなくてはなりません。
女性は家族葬において黒のストッキングや光沢がない黒のバッグを身に着けますが、慶事では黒以外のストッキングに履き替えて、バッグも華やかさをプラスするようにします。コサージュを付けるだけでも慶事用となるので、同じ日の場合は用意をしておくと良いです。アクセサリーは真珠であればどちらでも使用することができます。