家族葬は故人と親しかった人や親族のみで行いますが、これは故人や遺族の意向が反映されており、様々な人に金銭的や時間的な負担をかけないという趣旨のもとに行われていることが多いです。
そのため家族葬においては献花や香典を贈らないのが一般的になっています。家族葬には参列しなかったものの故人や遺族に対して弔意を示したい場合のみ贈ることがありますが、献花を送る際には送る方法に気を配る必要があり、注意しなくてはならない点があります。
家族葬においては参列をしない場合、献花を贈るのを控えるのがマナーです。静かに故人を見送りたいという気持ちから家族葬という形をとっていることが多いため、喪主の思いを大切にするためにも控えることが望ましいです。さらに喪主から亡くなったという連絡がない限り弔問を行ったり、香典や献花を贈ったりすることはしません。
実際のところ案内状に辞退をしたいということが明記されていることが多く、仮に香典を持参したとしても辞退することが多いです。遺族にとっては親しい人を亡くしたばかりであり、様々な思いを抱えながら家族葬の用意などを行わなくてはなりません。自分の思いを尊重するのではなく、できるだけ遺族の気持ちに寄り添い贈らないようにすることが基本となります。
家族葬に参列しなかった、喪主や故人にどうしても弔意を示したいという場合のみ供花や弔電を贈ることができます。ですが、家族葬においては原則として贈らないのがマナーであるので、何の連絡もせずに送るのはマナー違反となります。
遺族に贈る献花には、供花や枕花、そして花輪などの種類があり、それぞれ飾る場所が異なっています。供花は斎場や花祭壇を飾るものをさしており、枕花は故人の枕元に飾る花、花輪は通夜や葬儀会場の周囲に飾る花であり、近年では大がかりな花輪は会社関係で出すことが多く、個人ではほとんど出しません。花祭壇用においても、喪主や遺族の意向に添って贈ることが大切であり、どの様な花でも良いのですが、血を連想させてしまう赤い花やとげのある花、派手な色の花は避けることが大切です。
供花や枕花、花祭壇用の花を贈る場合、どこに注文をしたらよいのか悩みますが、供花や花祭壇用の花の場合、葬儀会社に依頼するのが一般的になります。これは葬儀会社によって自社以外の献花は受け付けない、または会場の広さから大きな花を飾ることができないなどの制限があり、実際に贈っても受け付けてもらえないことがあるからです。花代は後程請求されるので心配ありません。
また近年ではインターネットからも注文することができ、仕上がりのイメージもわかりやすく掲載されているのでどのようなものを贈ったのかを把握することができます。ただしインターネットからの場合、季節によって花代に差があり、価格は上下することが多いです。
送る時期は葬儀告別式前日までには届くように手配をします。贈ったら返礼品は辞退することをしっかりと伝えるようにしてください。
辞退していても供花や弔電、香典が届いた場合、辞退していたのだからお返しはしなくても良いのではと感じますが、お礼状とともにお返しの品を一緒に贈ることが一般的なマナーになります。ですが、家族葬はもともと遺族や親しい人のみで行うものであり、必要なことだけを行う葬儀であるため、お礼状だけでも問題はありません。
お礼状だけの場合は四十九日前に、お礼状とお返しの品を送る場合は四十九日を過ぎた後に香典返しを行います。お返しの品は花代や香典、弔電のおよそ半額から3分の1程度であり、お茶やお菓子など消耗品が適しています。あまりにも高価なものをお返ししてしまうと、逆に相手に気を遣わせてしまうので、価格設定には十分に注意します。