喪主の妻の服装
65才で義父が亡くなった時、夫が喪主となりました。
特に持病もなく、まだまだ先のことだと思っていたので動揺しましたし、喪主など初めてのことですので、諸々の手続きや立ち居振る舞いがわからず、大変なことばかりでした。
恥ずかしながら、まず服装のことで大慌てしました。夫が、その2年前に親戚の葬儀に出た時よりも10キロほど太っていたため、喪服が入らなかったのです。
しかも、クリーニング店から戻ったままクローゼットの奥に入れっぱなしにしていたためかカビが発生していました。
ごく親しい人や親戚は葬儀に出席するわけですから、たとえ体型が似ていても借りることはできません。急ぎ大型洋服店に行きましたが、たまたま夫のサイズは在庫が無かったため、三件目でやっと入手できました。
その際も電話で葬儀社さんや親戚と連絡を取り合って気ぜわしいことでした。
今後は、ビニール袋から出して湿気に気をつけ、年に一度は状態を確認し、サイズに変動があったらサイズ直しに出すか買い直すかしなければ・・・と思いました。
私の方は「喪主の妻なんだから、紋付の黒羽二重が常識」と義母に言われ、若い頃に着たという和装一式を貸してくれました。
ところが、これが本当に大変で・・・着物なんて成人式と結婚式のお色直しくらいしか着たことのなかった私にとって、全く慣れない窮屈さ。お客様のご案内やご挨拶をしながら幼稚園児と小学生の子供二人の世話もして動いているうちに気分が悪くなって、控え室でしばらく休ませてもらう羽目に。
危篤の知らせで病院に駆けつけてから殆ど寝ていないままに通夜を迎えていましたので、慣れないことに疲れが出たのだと思います。
後で知りましたが、現在では都市部・地方ともにフォーマルな黒ワンピースに光沢や飾りのない靴を合わせた服装なら、マナー違反にはならないそうです。
ですから、たとえ喪主の妻であっても、無理に紋付の黒羽二重を着なくても大丈夫です。
喪主の妻の立場
遺族席に座る順番さえも知らなくて、夫(喪主)・義母・義姉・・・か?と思っていたくらいです(苦笑)実際は、夫(喪主)・義母・私・内孫・義姉の夫・義姉・・・の順番でした(各家庭・地域によって多少の差異はあるのかも)。義母が喪主の場合は勿論、夫よりも上席になります。
そしてお焼香の際、立ってお辞儀するのは喪主だけでよく、喪主の妻以下は座ったままの座礼でよいということでした。
とにかく基本的なことさえも知らないことばかりですので、初めて喪主をなさる場合は、葬儀社の担当者さんに尋ねるのが一番間違いないです。
心付けはどうすればいいのか
昔々、結婚式や葬儀の際に祖母などがぽち袋に入れた心付けを係りの人にそっと渡しているのを見た記憶があったので、その必要性の有無・適当な金額・誰に渡すのが良いのか等々心配になりました。義母は夫が亡くなったショックで実際的なことは何もできずにおりましたので、私の役目なのかもしれないと思い、葬儀社の人に尋ねました。
それによりますと、やはり地方ではその習慣が残っていたりしますが、最近は都心部では廃止傾向にあるとのことです。
地方の方でしたら、誰に(葬儀社の担当者、霊柩車、バス、タクシー、火葬場etc.)・どのタイミングで・どのくらいの金額かを葬儀社の人にお尋ねになるのが無難だと思います。
我が家の場合は、都内近郊のあまり古い習慣にこだわらない世代が多い集落だったので、しなくても大丈夫な雰囲気でした。火葬所も公営が多く、公務員さんですので、必要ないとのことでした。
実際、葬儀の最低限の手続きや決断事項、費用のことで大変だったので、この上さらに気遣いをするのは負担だったと思います。
順番通りであれば、いずれ義母の時にも夫が喪主になるのだと思います。
今回予想外に早く体験することになった喪主としてのあれこれは、次に活かせることを願っています。
そして、喪主の妻としての立ち居振る舞いも心準備しておきたいものです。