臨終から通夜葬儀までの流れ
お葬式の喪主となって故人を送りだすことは、人生でそれほど頻繁にあることではありません。しかし、臨終から通夜、葬儀にいたるまで社会一般通念上での流れがあります。それを把握しておくと役に立ちます。
臨終から通夜葬儀までの流れ
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亡くなって死後の処置を受けるまで
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寺院への連絡と戒名をもらう
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お葬式の詳細を確認し決定
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お葬式から火葬場まで
★亡くなって死後の処置を受けるまで
病院で臨終を迎えた場合には、医師が死亡を告げた後看護師が死後の処置をおこないます。チューブや点滴などをはずし、傷口がある場合はそれを塞ぎ、口腔、耳、鼻、肛門などから体液が漏れないよう綿花を詰め、清拭をして寝衣も整えます。自宅で急に容態が変わった場合には主治医に連絡し指示を受けます。主治医がない場合は救急車を呼んで病院へ搬送してもらうようにします。自宅で突然死してしまった場合、明らかに亡くなっているとわかっていれば遺体や周りのものに触れず、警察に通報します。警察医が検死をおこなった後「死体検案書」を書きます。自殺や殺人など何らかの事件性があれば遺体は司法解剖にまわされることになりますが、それがないと判断されれば、そのまま遺体を引き取って、通常の臨終の場合と同じ流れになります。医師から死亡が告げられたら葬儀社へ連絡します。医師から危篤と告げられたらあらかじめどこに頼むか決めておくとあわてずにすみます。
★寺院への連絡と戒名をもらう
連絡する際は、故人の名前、性別、電話をかけた人の名前と故人との関係、お迎えに来てもらう場所(病院など)の名称と住所と電話番号、搬送先の住所と電話番号、亡くなった状況、宗教についてなど、必要に応じて連絡します。長く患っていて臨終が近いと予測される場合は前もって葬儀社と相談しておくと臨機応変に対応してくれます。病院で亡くなった場合、退院の手続を病院の指示に従っておこない、そのときに死亡診断書を受け取ります。病院で亡くなると遺体安置所に運ばれ、そこから自宅や搬送先などへ葬儀社が専用の寝台車で搬送してくれます。自宅で亡くなった場合は、ドライアイスや枕飾りなどを自宅へもって来てくれます。寺院にも連絡をとります。亡くなって最初に枕元であげていただくお経を「枕経」と言います。このときに戒名の相談をします。最近は枕経が省略され、通夜と兼ねるのが増えており、この場合には事前に菩提寺に相談して戒名を決めます。
★お葬式の詳細を確認し決定
戒名を決めるときにお葬式の規模(僧侶の人数)などの相談もいっしょにおこないます。内容についてはきちんと確認しながら進めていくことが大事です。その後、葬儀社と通夜・お葬式の全般スケジュールを詳細まで詰めていきます。これには式場の決定、規模・予算、参列者の人数、僧侶の人数、送迎の有無、食事とその後についてなどが含まれます。これらをできるだけ正確に割り出しておけば正確な見積もりができます。打ち合わせは喪主だけでなく他の人にも同席してもらい、疑問点やわからないことがあればたずねておきます。遺言書があるかどうかの確認も必要です。遺言書によってはその場で確認できないものもありますが、式に対する故人の希望があれば、できる限りそれに沿うようにしたいものです。これらの詳細が決定したら親族、ご近所、関係者に必要に応じて連絡します。向こう三軒両隣くらいのご近所へは直接出向いて挨拶をし、自治会などへは自治会組織を通じて、会社関係にも会社組織を通じて連絡してもらいます。
★お葬式から火葬場まで
喪主は通夜、お葬式の際は参列者の応対に追われますので、ご香料を受け付ける係、供花や供物の係、食事の人数などを取りまとめる係などを分担して決めておきます。地域によってはご近所の方がお世話係として入られるところもありますので、それらについては自治会を通じて早めに連絡をとっておきます。葬儀社は式の形式に従って遺影写真の引き伸ばし、霊柩車、火葬場、会葬礼状、お供養品、装具一式、式場の設営、受付掲示、案内用品、料理などの手配をおこないます。通夜はお葬式の前に故人と終夜を過ごし、静かに魂と向き合う最後の夜で、本来は血縁関係者など生前故人とつながりの深かった方だけでおこなうものでした。しかし、最近はお葬式に参列できない方が弔問に訪れる場となっています。通夜が一段落したら、お葬式の準備事項について親族の主だった人たちと確認しておきます。お葬式は故人をこの世からあの世に送り出す儀式です。その最後が故人の出棺となり、霊柩車、マイクロバスで火葬場へ向かいます。