キリスト教にはプロテスタントとカトリックがあり、プロテスタントでは記念式か追悼の記念会をカトリックでは追悼ミサか追悼会と言われます。
それぞれの追悼式を説明しましょう。
○プロテスタント
プロテスタントでは、「記念式」と呼ばれる故人を追悼する儀式を行い、とくに決まりはありません。この記念式は故人が亡くなってから一週間から二十日目に祈りを捧げますが、昇天記念日(召天記念日)と言われ、亡くなってから一か月後に自宅か教会、墓前に牧師を招いて式典を行う場合もあります。
昇天(召天)記念日とは、字のとおり、亡くなった故人が神であるキリストのいる「天」に召される日の事を表します。仏教で言うと四十九日法要、神式で言うと五十日祭にあたりますね。
昇天記念式を行った後は特に決まった決まりはありませんが、亡くなってから一年目、三年目、七年目の昇天記念日には、教会で追悼の記念会を行います。
自宅で行う場合は、小さい祭壇を置き、中央に故人の遺影を置き、周囲を花で飾ります。この花は故人の好きだった花があればそれでも良いでしょう。教会か自宅、墓前に親族、友人、知人を招いて、牧師の司会にて、祈祷、聖書朗読、讃美歌の合掌などが行われます。そのあとに参列者で会食を行い故人の思い出話等をします。
教会では記念日などに天に召されたすべての人々への記念式をまとめて行うのが通常になっています。
キリスト教では、神前では誰でも平等という考えがありますから、花輪等についている社会的立場を表するような名札ははずして飾ることがあります。
名札をはずすので、花輪の贈り主がわからなくなることもありますので、遺族や世話役は名前を控えておくようにしましょう。
葬儀に対する謝礼は教会への献金という形で出します。表書きは昇天(召天)記念献金とします。この献金とは別に牧師へ謝礼を渡す場合は、「謝礼」もしくは「御車代」と表書きをします。どちらも金額に決まりはありません。オルガン奏者への謝礼は「御礼」と表書きをします。
○カトリック
カトリックの場合、亡くなってから三日目、七日目、三十日目に教会の聖堂にて親族、友人、知人が参列して司祭の司式で追悼ミサが執り行われます。亡くなってから一年目は死者のための祈念のミサが行われます。最近では三日目、七日目のミサは行うことは少ないようです。一年目のミサの後は特別な決まりごとはありませんが、地域等の慣例に合わせて、毎年の命日や三年目、七年目、十年目などに追悼ミサを行います。
カトリックでは、毎年11月2日が「万霊祭(オール・ソウルズ・デー)」と呼ばれ死者の日として聖堂で追悼ミサが行われます。故人の遺族、親族、友人、知人が参列してその後教会の別室や、自宅で茶話会を開きます。
葬儀の謝礼は教会への寄付金、献金という形になります。渡す時は、無地の白封筒に「献金」、「ミサ御礼」と表書きします。
これとは別に神父へ謝礼を渡す時は「御車代」、「御礼」と表書きします。金額に決まりはありません。感謝の気持ちを表すためのものです。
ミサの際の服装ですが、遺族は正式な喪服を着用します。三年目ころからは地味な平服でよいでしょう。参列者は略式の喪装もしくは地味な平服です。