香典返しの歴史的背景から意味を理解しよう
香典返しは、返礼品とも呼ばれます。
基本的には四十九日の後、納骨の報告とお礼をかねて贈るのが通例となっています。
もともとは昔貧しい親族や村落の相互扶助として、米や野菜などを持ち寄ったのが香典の始まりとされ、江戸時代には、香典を頂いたらお礼の品物を贈るのではなく、香典帳に住所、名前、金額を記載しておき、その方のご家庭に不幸があった時に香典帳の金額とおなじ金額の香典をお返しするように変化していきました。
今でもその習慣は続いており、香典帳にはきちんと残しておき、香典をいただいたご家族に万が一同じようにご不幸があれば、その香典帳から、いただいた金額に相当する香典を用意する習慣が多く残っています。
香典返しを行う側の気持ちのとして、葬儀の際にいただいた香典のおかげで四十九日間、供養することが出来、故人も無事に浄土に旅立つ事が出来ましたという感謝の気持ちを表し、出費に対しての助け合い(相互扶助)の意味があります。
本来品物でのお返しは必要ないのですが今では品物で贈るのが習慣になっています。
香典返しのマナーとしてさまざまあります。
香典返しを贈る時期ですが、仏式では四十九日忌明け後に、挨拶状を添えて贈るのが一般的です。また、三十五日の忌明け後に贈る場合もあります。
しかし最近特に家族葬を行う様な地域では、香典をいただいた通夜や葬儀の日に、略式形で会葬返礼品とともに香典返しを行うことが増えてきています。
この人にいくら戴いたからと各々について考える手間も省けますし、住所管理などの手間も軽くなります。
香典を頂いたその日のうちに香典返しを行う場合、いくら香典をいただくか、各個人に対してわかりませんので、だいたいの香典の平均を予測して商品の金額を決めます。
香典返しに使う商品は日用品、たとえばバスタオルや緑茶、砂糖、コーヒーセット、椎茸、醤油、のり、味噌など、どこの家庭でも使う日用品・消耗品を贈るのが通例です。
金額に関しては、いただいた香典金額の1/3から半額くらいの品をお返しします。
高額の香典を頂いた方には、別途四十九日法要後に、別のお品を香典返しとしておとどけするのが良いでしょう。