遺品整理と形見分けの手順
○遺品整理に取り掛かる前に
遺品はまず家財・粗大ゴミ・貴重品・高級品・思い出の品などを整理し、分別します。
段ボールを準備し、必要なものと不用品とを分けていきますが、持ち主本人が亡くなっているため、何がどこにあるのか、何が大切で何が不要か区別がつかず、その段階で多くの遺族が頭を悩ませます。
早く整理しなければと焦る気持ちも分かりますが、時間があるならじっくりと整理するといいでしょう。一つ一つの遺品に触れながら、故人に思いを馳せることも死を受け止める大切な作業だと思います。
○形見分け
故人と親交のあった人に遺品を贈ることを『形見分け』といいます。亡くなってから1ヶ月を過ぎたあたり、または四十九日法要後に贈ることができるよう準備を進めていきます。贈る品は衣類・装飾品・家具などが多いようですが、親交の度合い、年齢、好みなどを考慮して喜んでいただけるものを選びます。
贈る際には過剰な包装は厳禁。半紙などシンプルな紙で簡単にラッピングし、「遺品」「しのび草」などと表書きして直接手渡します。
なお、高価な遺品を形見分けとして渡す場合には、相続財産とみなされ贈与税の対象になることもあるので注意が必要です。
○形見分けを行う時期
形見分けの時期については特に決められているわけではありませんが、一般的には四十九日などの宗教儀式と同時に合わせて行うのが良いとされています。
四十九日は忌明けにあたる日であり、故人が長い審判を終える時です。
これをもって故人は仏の元へ向かうため、形見分けは最後の見送りと共に故人を忘れないための一種の儀式といえますね。
○遺品整理業者を利用する
「残された遺族が高齢のため自分たちで片付けをするのが困難」「荷物を運んだり整理するのに人手が必要」「仕事などの都合で遺品を整理する時間がない」など、残された遺族にとって遺品の整理が負担となるケースが増えています。
そういった場合は専門の遺品整理業者を利用すると良いでしょう。
遺品整理業者の多くは遺品の分別の仕分けから清掃、リサイクル品の買取・売買まで行っています。さらに特殊清掃まで請け負っている業者もあります。
遺品整理業者を選ぶ際には、まず電話やメールで詳細を伝え、実際に現場へ足を運び、下見をしてもらいます。見積もりは複数社から取り寄せ、じっくりと比較検討します。個人情報保護について意識をもった信頼できる業者であることが大前提ですが、その他に各種許認可を得て営業している業者かどうかも確認しなくてはなりません。。