忌中と喪中の過ごし方
○忌中と喪中の違い
近親者が亡くなった時に、喪に服す期間。この「喪に服す」の意味ですが、亡くなった人の近親者が一定期間、外出や社交的な行動を避けて身を慎むようにすることになります。死はけがれたものと日本では古くから考えられてきました。そのけがれを祝いの場へ持ち込まない、殺生してはいけない期間のことを『忌中』と呼びます。
一方、「喪中」は死者を偲ぶ期間になります。この「喪中」の考えはもともと儒教からきているようですが、奈良時代の「養老律令」や江戸時代から明治時代までは、「服忌令」と法律で決められていたようです。しかし、現在はそのような法律はありません。近親者が亡くなって悲しい間が『喪中』と思って良さそうな気がします。浄土真宗やキリスト教では死をけがれとして捉えないので、忌や喪という概念はありません。
死後四十九日の忌明けまでを『忌中』、死後一年間を『喪中』と考えられています。
○忌中・喪中で控えなければいけないこと
①結婚式など、お祝いの場への出席は控える
忌明け(四十九日)していれば、出席しても良いと考えられているようです。
友人などの結婚式にはあえて喪中と知られないのも、気配りになるかもしれませんね。
②神社へのお参りは控える
神式では親等ごとに忌明けのランクがあり、最長で50日です。この忌中の間は神社の祭りなども控えます。忌明けのランクは神社でも違いがあるようなので、行かれる先の神社に問い合わせてみてもいいでしょう。
③祝い事は控える
もしすでに祝い事の予定が決まっていた場合、やる、やらないを決めるのは自分自身の気持ち次第になってきます。延期するのもいいですし、どうしてもやりたいという強い気持ちがあれば周りと相談したり、同意をもらっておく方が良いですね。
④年末年始の挨拶は控える
喪中なので年始の挨拶は控えます、ということを喪中のハガキで早めに伝えましょう。
11月初旬から遅くても12月中旬までには出すのがマナーです。早く年賀状を書き始める人もいるので、相手のことを考え、できれば12月中旬までには出しておきたいですね。
喪中のハガキを出さなかった人から年賀状が届いた場合には、寒中見舞いのハガキを出しましょう。相手側から年賀状が届くのは大丈夫です。
また、子どもが友達同士で書く年賀状は良いと思います。
⑤忌明けまで酒を控える
地域にもよりますが、お酒や魚・肉などの生き物を食べたり、殺したり、釣ったりするのを控えます。最近ではこういったしきたりに縛られずに飲食OKなところも多くなってきています。