職場の同僚の親族に不幸があったと知らせを受け、それが家族葬と言われたら香典は送ってもよいのでしょうか。
また、香典の代わりに送れるものはあるのでしょうか。それらをしっかりと解説します。職場や会社の関係者に限らず、近所で訃報があったときにも役立つかもしれません。葬儀では知らせを受けたとき、対応をいつ返すかが大切なので、事前に対応策をふまえておけば会社や職場で不幸があったとしてもあわてずに済む可能性が高いといえます。
家族葬の定義は明確ではありませんが、参列者を親族に限定した小規模な葬儀が基本です。
そのため、近所の知人や会社の同僚は対象外となる場合が多く、参列しないと決めたとしても不思議ではありません。ただし、同僚と特に親しい関係にあるなら、近所に住んでいるとか職場が同じというつながりであっても参列する選択肢はあります。
家族葬を実施することを同僚から直接知らされたのであれば、その葬儀に出席する資格があると解釈してもよいでしょう。第三者から知らされた場合、あるいは葬儀が終わったあとに聞いた場合は、出席を求められていなかったと解釈するのが無難です。参列しないとしても失礼ではないので、判断に迷ったときは会社の上司などに相談してから対応しましょう。
家族葬と言われたら香典は渡してもよいのでしょうか。遺族または個人の方針で香典辞退の申し出がないのであれば、香典は用意するのが一般的です。明確に辞退するという意思表示があったときは、香典を渡そうとするのは失礼になるので注意します。
香典の金額の相場については、はっきりとした決まりはありません。故人の関係性の深さや参列者の年齢で左右されますが最低で3000円程度、最高でも1万円程度です。いつ返すか不明ですが、返礼である香典返しは受け取った金額で遺族の負担額が決まるので、多すぎる金額を送るのは適切ではありません。家族葬では遺族が辞退していないか方針をまずは確認して、多すぎない金額を用意するのがマナーです。
家族葬で香典を送るときは、不祝儀袋にお札を入れて渡すのがマナーです。不祝儀袋の表書きは、宗教や宗派によって異なるので注意しましょう。仏教の場合は御霊前や御香典と書くのが一般的です。
キリスト教であればお花料、神道形式の場合は御玉串料と書く事例がよくあります。相手の宗派がわからないときは、御霊前と書けば問題はありません。自分の氏名は、フルネームで明記するのがマナーです。職場の何人かで合同で渡すときは、社内の地位が高い人物から記入します。関係者の人数が多いときは、営業部一同などと代表的な部署名などを書く方法もあります。遺族がいつ返すか不明ですが、香典返しの手続きで困らないように渡した人が誰なのか明記することが基本です。
家族葬と言われたら香典は辞退される場合があります。また、いろいろな事情により葬儀に参列しないと判断することもめずらしくありません。そんなときは、香典の代わりに供物や供花を送るのもよいでしょう。
香典の代わりになる具体的なものは、線香や菓子類、弔電です。家族葬では供物なども辞退している可能性がありますが、少量の菓子類や弔電であれば遺族の負担になりにくいといえます。遠方にいて葬儀に参列したくてもできないときは、現金書留で香典を送る手段もあります。郵便局で現金書留専用の封筒を購入して、その中に不祝儀袋や短い手紙を添えて送りましょう。葬儀の当日は遺族が多忙な事例が多いので、少なくとも数日が経過してから到着するように手配するのがマナーです。