昔はお葬式というと、参列者が100名前後の規模の大きな一般葬が普通でした。最近は。一般層よりも30名程度の少人数で行う家族葬を選択する人が増えています。家族や限られた人数の親類だけで故人とお別れをする場合には、一部の親戚がお葬式に呼ばないことで不義理やトラブルが起こらないようにすることが大切です。
家族葬にどこまで呼ぶかはケースバイケースですが、一般的に家族葬に出席する親戚の範囲やお葬式に呼ばない人に対する対応方法を知っておくことでトラブルを予防することができるでしょう。
家族葬では遠方に住んでいる親戚を呼ばないケースが多いですが、故人と親しかった数人の友人・知人を招待することがあります。そのため、家族や親戚は多くても20名以内にする必要があります。
自分から見て兄弟にあたる人の家族葬を執り行う場合ですが、故人とその兄弟(自分を含む)の夫婦・子どもと孫夫婦にすれば20名以内に収まるでしょう。従兄弟(いとこ)夫婦や子供・孫まで含めてしまうと総勢30名を超えて、家族葬というよりも一般葬に近くなってしまいます。20~30名と聞くと多いように思えるかもしれませんが、孫や従兄弟まで範囲を広げると一気に人数が増えます。家族葬は葬儀に呼べる人数がかなり限られているので、どこまで呼ぶかは非常に重要です。
ただし葬儀に呼ぶ範囲を狭めてしまうと人数が少なくなり、寂しいお葬式になってしまいます。家族葬でどこまで呼ぶかは、状況によって柔軟に対応することが大切です。
家族葬は故人から見て家族にあたるひとを呼ぶので、当然のことながら兄弟が含まれます。親が亡くなった場合は故人の子供の誰かが喪主として葬儀を執り行いますが、他の兄弟も血縁関係があり対等な立場です。
親や他の兄弟との関係で個人的な好き嫌いがあるかもしれませんが、お葬式のことを知らせないと後でトラブルが起こって関係が崩れる原因になる恐れがあります。現実的に判断して(遠方に住んでいるなど)兄弟でもお葬式に出席しない場合がありますが、不義理などでトラブルが起こるのを防ぐためには声をかけたほうがよいでしょう。
もしも自分の配偶者が亡くなった場合は、血縁関係のある親族を優先して自分の兄弟を呼ばないという選択肢もあります。お葬式のことをどこまで知らせるかは、後の関係も考慮しながら決める必要があるでしょう。 遠方に住んでいる自分の兄弟などが葬儀を執り行う際に、連絡が来ないというケースも考えられます。家族葬は兄弟でも参列しない場合があり、連絡が来なければ自分は呼ばれていないということを理解しておきましょう。
出席者の人数が限られている家族葬を行った場合は、不義理やトラブルを避けるためにお葬式に呼ばなかった方にきちんと対応をする必要があります。呼ばない人に対しては事前に葬儀のことを知らせないという方法もありますが、血縁関係のある親族の場合は参列をお断りする理由をきちんと説明する必要があります。お葬式に呼ばないというのは、故人に対する気持ちを断る行為だからです。参列を断られたは寂しい思いをしているので、丁寧に対応すべきです。
お葬式に呼ばない方に対する説明では、
呼ばない人に対して葬儀のことを知らせないという方法もありますが、後になって「お葬式にも呼ばれなかった」「故人との最後のお別れができずに寂しい思いをした」と言われてしまう恐れがあります。家族葬に呼ばない人に訃報を知らせないとトラブルの原因になる恐れがあるので、後から知らせる場合は細心の注意が必要です。
一般的にお葬式に参列する場合は香典を渡す必要がありますが、立場や年齢に応じて相場が異なります。一般葬の場合は主に故人との関係で香典の相場が決まっていますが、家族葬の場合は参列者全員が近しい親族です。そのため、香典料の相場は年齢や社会的な地位(収入)によって決まると考えましょう。
もしも兄弟が亡くなった場合は、自分の年齢に応じて渡す金額が変わります。20代の方であれば3~5万円、30代であれば5万円、40代以上の方であれば5万円以上が目安です。家族葬の香典の金額は、兄弟の順番(長男・次男)や性別などを理由にして金額の差をつけることはありません。
家族葬の場合は故人が兄弟であったとしても、遠方に住んでいるなどの理由で参列しない場合があります。喪主が葬儀に呼ばない人からの香典を辞退するケースが少なくありませんが、お断りされた場合は無理に渡すべきではありません。