家族など近親者のみで行う家族葬は、小規模であるためゆっくりと別れを共有できることに加えて充実した時間を過ごせることから選ぶ方が増えています。
しかし、葬儀に参列しない方にはどのように連絡したらよいかが悩みどころでもあります。ここでは家族葬の案内状に書くべき内容や、送る時期は葬儀前か忌明けなのかという基本的な問題から、香典返し封入する文章や挨拶状の例文について、呼ばない方や職場関係など送る相手別にまとめてみました。
挨拶状を送ることで、亡くなったことと家族葬である点を明示しよう
一般的な葬儀の場合は、故人に縁のある方や仕事関係の方に案内状を出して葬儀に参列していただきますが、家族葬の場合は遺族や近親者のみが参列するため、他の方の参列はご遠慮してもらわなくてはなりません。
そのため、他の方々へは挨拶状の送付を以って亡くなったことや無事に葬儀を終えたことに加え、家族葬で執り行ったお詫びを伝える必要があります。
家族葬で葬儀を行った遺族に最も多いトラブルが「なぜ知らせてくれなかったか」というものであるため、故人と生前親しかった方に挨拶状を送るときは、タイミングを逸しないことと失礼のないよう気遣いを忘れないようにすることが重要なポイントです。
なお、発送時期は忌明けの四十九日や納骨式の後が一般的で、年末の場合は喪中はがきで代用することもできますが、喪中はがきの場合は年賀状の受付が開始される前までに相手に届くようにしなければならないため、早めに印刷を依頼することが大切です。
挨拶状の例文(故人の友人や呼ばない遠い親族宛)
故人の友人や葬儀に参列しない遠い親族向けの挨拶状は、まず始めに喪主と故人との関係と故人の名前、無くなった日と年齢を記します。
例文としては
まことに勝手ながら故人の遺志により葬儀は家族葬にて執り行いましたので、御供物や御香典につきまして辞退させていただきます。はなはだ勝手ではございますが、何卒ご了承くださいようお願い申し上げます。
などが一般的です。
また
故人の遺志により葬儀におきましては近親者による家族葬で相済ませました。お知らせが遅れましたことを心よりお詫びしますとともに、ここに故人が生前に賜りましたご厚情に深謝し衷心より御礼申し上げます。
などがよいでしょう。
なお、香典を辞退した場合でも後から送られてくる場合があります。
その場合は香典返しに
お陰をもちまして忌明けまでを無事に済ませましたのでここにご報告いたします。つきましては心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご芳志のお礼としてお納めください。
などの文面も添えるようにしましょう。
挨拶状の例文(喪主や故人の職場関係)
職場関係について、喪主の場合は会社側の対応もあるため早めに連絡することが必要になるので、印刷も早めにすることが大切です。
また、香典は不要である旨を明記していた場合でも職場の連名などで香典をいただいた場合は、職場全員で分けられるお菓子などを香典返しとして送りましょう。
案内文の例は
生前のご厚誼を深謝し、謹んでご通知申し上げます。故人の遺志により葬儀は家族のみで執り行いますので、誠に勝手ではございますが弔問およびご香典、ご供花などのお気遣いは固く辞退させていただきます。
など簡単な文面で問題ありません。
故人の職場関係についても同様で、案内文は
生前は大変お世話になりました。葬儀は故人の遺志により家族のみで執り行いますので、ご厚志につきましては誠に勝手ながら辞退させていただきます。みなさまにはご迷惑をおかけしますが何卒ご配慮のほどよろしくお願い申し上げます。
などで、案内文には斎場の場所などの詳細な情報は添える必要はありません。
参列してもらう親族宛の案内状の事例と忌明けの挨拶状の例文
参列してもらう親族向けにははがきによる案内状が一般的です。
間柄と故人の名前、亡くなった日を記載後、
例文としては
生前のご厚誼に対し深く感謝の意を申し上げます。なお葬儀告別式は左記の通り執り行いますので、お時間があれば最後の別れに足をお運びいただければ幸いです。
など、簡単な文面でよいでしょう。
また、会葬していただいた方へは忌明けの挨拶状を出すのが礼儀です。
例文は
ご多用中にもかかわらずご臨席いただいたこと厚くお礼申し上げます。お蔭をもちまして全て滞りなく済ませることができました。本来ならばご挨拶に伺うところ書中にて失礼とは存じますが、ご挨拶とさせていただきます.
などを薄墨で印刷するのが基本です。