家族葬は、故人の家族を中心にして少人数で行う葬儀ですから、ちょっとした知り合い程度の人や単なる職場の同僚は参列すべきではありません。
また、香典も出さないのがマナーです。ただし、弔電を送ることまでがNGになっているわけではありません。
家族葬はどのような葬儀なのか
ここ数年、葬儀にどこまで呼ぶかを葬家側で決めてしまうケースが増えてきました。
一昔前までは、できるだけ多くの人を呼んで盛大な葬儀をあげるのが葬家の人間に課せられた義務のようになっていました。
しかし、最近ではそのような考え方をする人が減ってきています。名より実を取る人が増えてきたためだと考えられていますが、葬家側でどこまで呼ぶかを決める葬儀のことを、一般的に家族葬と呼んでいます。
家族葬の正式な定義のようなものはありませんが、
家族を中心にごく少人数で行う葬儀形式
です。
家族以外の人間を呼ぶ場合は、親戚や親しい友人だけにとどめるケースが多いです。儀礼的な弔問は基本的にNGとなっていますので、注意する必要があります。たとえば、同じ職場で働いている人に御不幸があった場合でも、個人的に親しく付き合っているわけではないのなら、お通夜や告別式への参列は差し控えるのが正しいビジネスマナーになります。
ちょっとした知り合いや単なる職場の同僚は、香典を出したり弔問したりしないのが原則になります。
得意先の会社の人に御不幸があった場合は
取引先の会社の人に御不幸があった場合、会社経由で直接葬儀の連絡が入ることはほとんどありません。
しかし、出入りの業者や取引先の人の口から、御不幸があったことを伝え聞くケースがしばしばあります。
今後の取引のことを考えて、とりあえず香典持参で告別式に参列しておくという人が多いですが、事前に葬儀形式を確認してみるのが望ましいです。
家族葬であるのにもかかわらず儀礼的な弔問を強行することは、重大なビジネスマナー違反行為
に該当します。
会社としての信用を失ってしまう恐れがありますので、注意が必要です。どうしても弔意をお伝えしておきたいという場合は、
弔電を送るようにするのが得策
です。
弔電を送ることまでNGになっているわけではありませんので、弔電を送ったからといって相手側に悪い印象を持たれてしまうことはありません。
学生時代の恩師が亡くなった場合の対応について
高校や大学などで教鞭を取っていると、教え子が大勢できます。
学校の先生が亡くなった場合は、会場に入りきれないほど大勢の教え子が詰めかけてしまう可能性があるので、混乱を避けるために家族葬や密葬を選ぶご遺族が多くなっています。
学生時代にお世話になった恩師の死を、新聞の死亡広告で知ったり友人から聞かされたりすることがよくありますが、その場合も
葬儀形式を確認した上で対応を考える必要があります。
一般的な形式の葬儀が営まれるのであればお通夜や告別式に参列してもよいですが、そうでない場合は自分の心の中で故人の死を悼むだけにとどめます。
ご遺族に直接会って弔意を伝えたいと考える人もいますが、自分の気持ちよりもまずご遺族の意向を尊重する必要があります。ただし、ビジネスシーンと同様に、弔電を送ることは何の問題もありません。
どのような服装で行けばよいのか
生前の故人と親しくお付き合いしていた人は、ご遺族から葬儀への参列を依頼されることが多いです。
その場合、いったいどのような服装で行けばよいのかと悩んでしまう人が少なくありませんが、服装については一般的な形式の葬儀に参列する場合と全く一緒だと考える必要があります。
故人の霊を慰めるための大切な儀式に列席するわけですから、
正式な喪服を着用して行くのがベスト
です。喪服を持っていない場合は黒っぽい服装で代用することができますが、真珠のネックレスを除き、アクセサリーの着用は基本的にNGになっています。
バッグや靴も、革やエナメルなどの光る素材で作られているものはNGです。ちなみに、男性は黒い靴下、女性は黒いパンティストッキングを着用します。家族葬が、家族中心で営まれるこぢんまりとした葬儀であることは事実ですが、故人を見送る大切な儀式ですので、礼を尽くした服装で臨む必要があります。