葬儀業者が提供しているサービスについて
今は病院で最期の時を迎える人が多くなっていますが、病院の霊安室に長時間遺体を安置させてもらうことはできません。なるべく速やかに場所を移動させるようにと病院から指示されますが、そのような時に頼りにすることができるのが葬儀業者です。
葬儀業者が提供しているサービスについて
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家族を失った遺族がやるべきことについて
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業者が行っている遺体搬送サービスについて
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どのようなことを頼むことができるのか
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サービスの多様化について
★家族を失った遺族がやるべきことについて
人が亡くなった場合、後に残された遺族は強い精神的ショックを受けるのが普通です。長患いしていた人が亡くなったり、高齢者が老衰で亡くなったりした場合であればまだしも、朝までピンピンしていた人が突然の交通事故で死亡してしまったような場合であれば、遺族のショックは計り知れないほど大きなものになります。一種の錯乱状態に陥ってしまう人が多いですが、たとえそのような状態に陥っていたとしても、遺族には様々な責任がのしかかってきます。役所関係の手続きや通夜・告別式の手配などにすぐさま取り掛かる必要がありますが、それよりも先に遺体を移動する必要に迫られることになるケースが多いです。今は、多くの人が病院で最期の時を迎えます。病院には、患者の遺体を安置しておく霊安室という場所がありますが、何時間も無制限に使用できるわけではありません。病院側からなるべく早く他の場所へ移動するようにと指示されることが多いですが、個人では適切な対応を取ることができません。そのような時に重宝することができるのが、葬儀業者のサービスです。
★業者が行っている遺体搬送サービスについて
日中の明るい時間帯に人が亡くなるとは限りません。現実的なことを考えると、病気療養中の人の容態が深夜に急変し、夜明けを待つことなく亡くなってしまうケースがとても多いです。また、お正月やゴールデンウィークに死亡する人も結構たくさんいます。普通の業者であれば、深夜や休日は営業していませんから、電話をかけても繋がりません。しかし、葬儀業者の場合は、年中無休24時間体制で対応できるようにしているのが一般的です。人の死は突然起こるのが当たり前です。そのため、ほとんどの業者は、いつ電話がかかってきても即座に対応できる体制を整えています。ですので、たとえ深夜に電話をかけた場合でも、遺体を寝かせた状態で運べる車を運転して、迅速に病院に駆けつけてくれます。自宅到着後は故人の遺体を担架に乗せて自宅内に運び込み、丁寧に安置してくれます。おまけに枕飾りなども全部用意してくれるため、茫然自失状態に陥っている遺族としてはとても助かります。
★どのようなことを頼むことができるのか
葬儀業者に頼むことができるのが、病院から自宅までの遺体搬送サービスだけに限られるわけではありません。通夜から告別式、火葬に至るまでの一連の流れの中で生じてくる雑多な業務全てをサポートしてもらえるようになっています。具体的には、亡くなった人の体をキレイに拭き清めて死装束に着替えさせる湯灌サービスや、火葬場に予約を入れる業務、通夜・告別式会場の手配、花輪や生花の手配、各種印刷物の作成、仕出し料理や飲み物の手配などなど、1つ1つ数えあげていくとキリがありません。昔は地縁共同体の結びつきが強固だったため、わざわざ専門業者を利用しなくても、隣り近所の人に助けられて何とか葬式を出すことができました。しかし、人間関係がとても希薄になっている現代社会において、地縁に基づく相互扶助システムの発動を期待することはできません。そのため、誰かが死亡した場合はプロの業者を利用するのが当たり前のことになっています。
★サービスの多様化について
全ての業者がそうなっているわけではありませんが、サービス内容の拡充を図る業者が増えてきています。最近目立ってきているのは、僧侶派遣サービスやお墓の斡旋サービスを提供するケースです。昔に比べると、生きている間中ずっと同じ場所に住み続けている人がとても少なくなっています。その結果、どこのお寺の檀家にもなっていない人やお墓を持っていない人の数が急増しています。日常的に困ってしまうようなことはほとんどありませんが、どこのお寺の檀家にもなっていないと、葬儀の際の読経をどこにも頼むことができません。また、お墓を持っていない場合は、四十九日が済んでも納骨することができず、困ってしまうことになります。とはいえ、そのような時に利用できる業者の心当たりがある人はごく少数派です。そこで、葬儀業者が僧侶派遣サービスやお墓斡旋サービスを取り扱うケースが増えています。同種のサービスに対する需要が今後一層強まるだろうと予想されるため、多種多様なサービスを提供する業者が将来的に増加しそうです。