家族葬は香典を断る場合も多いので基本的には香典返しには苦労をしない葬儀の方法ですが、故人を偲んでどうしても渡したいという人も少なからずいます。
無下に断るのではなく頂いておき、通常の葬儀の時のようにお返しを行うようにしましょう。
家族葬での香典返しはどうすればいいのか
1,家族葬とはどんなものか
2,断っても持ってくる人も
3,香典返しの相場は半返し
4,品物は一般的な葬儀と同じ
1,家族葬とはどんなものか
近頃では家族葬を選択する人が増えてきています。
葬儀と言えば生前に故人と仕事で付き合いがあった会社の人だから、すでに亡くなった父の友人だったからという理由で出席する人も多いのが現状です。
しかし遺された家族にしてみれば大切な家族との最後の別れの場です。
出席する人が多ければ対応にも追われてしまいますし、人が多いことで落ち着けないので最後の別れの場だというのに次の段取りのことや出席者への対応を考えてしまって最後の別れをすることも満足にできなくなってしまいます。
そのため、家族だけで葬儀を行う家族葬を行って、義理ではなく本当に別れを惜しむ人たちと時間を共有したいという人が増えているのです。
家族の範囲についてはその家庭によって違いますが、家族と親しい親族や友人、多くても10人前後での葬儀となるのが一般的な家族葬になります。
2,断っても持ってくる人も
葬儀には香典を持っていくのがマナーです。
香典とは死者の霊前に供えるもので生前の関係性によって金額は大きく変わりますが、通夜や葬儀の時に持って行きます。
しかし家族葬の場合には通夜も葬儀も家族だけでとなってしまうため、生前に良くしてもらったから、家族が亡くなった時に頂いたからという理由で持ってこようと思っても葬儀に参列できません。
そのため香典だけでも、と持ってくる人も少なくありません。
また、いくら「辞退したい」と申し出ても、会社の福利厚生などで持ってこられる方や、葬儀後に来てそっと置いて帰る人もいます。
しかしここで放置しておくわけにはいきません。特にこのような場面でのマナーは日本人は厳しい傾向がありますので、たとえ相手が勝手に持ってきたものであったとしてもきちんと香典返しを行っておくようにしましょう。
3,香典返しの相場は半返し
香典返しはなんらかの商品を贈ることになります。
例え「お返しは不要です」と言われたりメッセージカードがついていた場合でも、きちんとお返しはしておきましょう。
相場としては頂いた金額の半額を返す「半返し」が一般的ですが、高額の香典の場合には3分の1程度でも問題ないと言われています。
香典は故人との関係性によって大きく金額が変わり、目安として友人や知人の場合には5000~10000円程度、恩師の場合には3000~10000円程度、近所の人の場合には3000~5000円程度、会社の場合には個人で行う場合には5000~10000円程度が相場だと言われています。
香典返しはこの金額の半額の品物を返すことになります。四十九日を過ぎた喪が明けたタイミングで送ることになりますので、誰にいくらのものを贈るのかをきちんと整理して準備しておくと慌てなくて済みます。
香典返しの相場
故人との関係
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香典返しの相場
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友人や知人 |
5,000円~1万円 |
恩師 |
3,000円~1万円 |
近所の人 |
3,000円~5,000円 |
会社の関係者 |
5,000円~1万円 |
4,品物は一般的な葬儀と同じ
例え家族葬だと言っても、香典返しという意味では通常の葬儀を行った人と変わりはありませんから、
一般的に香典返しとして使われるタオルや洗剤、石鹸など「不幸を洗い流すことが出来る」もの、お菓子や海苔、お茶などの「食べて無くなるので不幸を残さないもの」を選べば問題ありません。
逆に「四足の生臭いもの」である肉や魚、嗜好品であるお酒、金額がすぐにわかってしまう商品券は避けるようにしましょう。
その人に合わせて商品を選ぶのが大変だったり、定番品は避けたいという場合には、カタログギフトを贈るという方法もあります。
家族だけで葬儀を行うのはこれらのわずらわしさもないというのがメリットなのですが、一般的に言われているマナーを守っておくことがこれからの友人や知人との関係を円滑に進めるためには重要なポイントとなるのではないでしょうか。