戒名料は高いけど、つけないとお坊さんは呼べない
最近、無宗教葬の人気が高くなっている傾向があるのですが、無宗教の葬儀の一般的な流れについてご紹介します。ただし、菩提寺がある場合には、納骨やお墓を断られるケースも多いので、事前にお寺さんに無宗教で行いたい旨の相談をする必要があります。
戒名料は高いけど、つけないとお坊さんは呼べない
★
無宗教葬の葬儀について
★
無宗教の方の戒名や納骨について
★
亡くなった後につけてもらう名前の相場
★
法名はなくてもお坊さんに読経してもらうことも可能
★無宗教葬の葬儀について
「無宗教葬」とは、文字通り特定の宗教にとらわれない葬儀のスタイルのことであり、一般的には、宗教者を呼ばない葬儀のことです。つまり、仏式の場合には、お坊さんを呼ばないということです。無宗教葬の葬儀の流れについては、親族・参列者が着席したら、開会の辞がいわれ黙祷を捧げます。個人の略歴が紹介され、弔辞あるいは故人への手紙が紹介されます。続いて、弔電の紹介がなされ、生前故人が好きだった歌曲などが流されます。 歌曲のほかには、故人が好きだった曲を生演奏したり、生前のビデオが上映される場合もありますが、もっとも多いのが音楽の清聴となっています。次に献花が行なわれるのですが、順番は喪主・親族・参列者の順番となります。喪主・親族代表の挨拶があり、閉会の辞で終了となります。以上が、一般的な無宗教葬の流れとなります。
★無宗教の方の戒名や納骨について
無宗教による葬儀を行う場合には、戒名も必要ありません。最近増えているお葬式のスタイルではあるのですが、お寺とのかかわりがある家の場合には、納骨のことまで考えておく必要があります。そもそもお寺というのは、特定の宗派に基づいて運営されていますので、お寺のお墓に納骨するのであれば、そのお寺の宗派に従わなければいけません。ゆえに、お葬式で読経してもらったり、戒名をつけてもらう必要があるということになります。 最近では、時代の流れに適応して自由度の高いお寺も増えてきてはいます。お墓がある寺院、もしくは納骨を希望する寺院に、「無宗教でお葬式を挙げたいのですが、納骨は可能でしょうか」といった旨を事前に確認されることをおすすめします。無宗教スタイルのお葬式で、読経がなくてもOKというお寺は存在しますが、基本的に納骨するためには戒名は必要となっています。
★亡くなった後につけてもらう名前の相場
仏教において、亡くなった後につけてもらう名前を「戒名(法名)」といいます。法名はお坊さんにつけてもらうのですが、その際に法名料としてお布施を渡します。御布施の金額は、寺院によって異なりますし、位号(つけてもらう名前のランク)によっても異なります。ゆえに、相場に関しては、2万円~100万円とかなりの幅がある相場となっています。 先祖代々の菩提寺がある場合には、相場を比較して安い寺院にお願いするというわけにはいきません。菩提寺側が提示する金額を、お布施という形で寄付するようになります。菩提寺がない方の場合には、よりリーズナブルなところで法名をつけてもらっても何ら問題はないのですが、菩提寺がある場合には、ほかの寺院へ依頼した場合、関係性に影響を及ぼしてしまいます。お墓の利用を断られるケースもありますので注意しましょう。
★法名はなくてもお坊さんに読経してもらうことも可能
実は、法名がなくても仏式で葬儀をしてもらうことは可能です。名前をつけてもらうために高額のお布施を支払いたくなかったり、あるいは経済的な事情で支払えなかったり、故人の名前が変わることに抵抗があるなどの理由で、法名なしでお葬式を希望される方も存在しています。そういったお葬式を希望される場合には、まずはお寺に相談するようにしましょう。寺院によっては、無料で法名をつけてくれる場合もありますので、事情を説明してまずは相談されることをおすすめします。 ちなみに、亡くなった後の名前については、厳密に言えば「法名(ほうみょう)」は浄土真宗で使われる言葉であり、日蓮宗の場合には「法号(ほうごう)」が正しい名称となります。戒名は、亡くなった後につける名前として定着していますが、実は、正しくは仏教において受戒した者に与えられる名前となります。また、この世での名前を「俗名(ぞくみょう)」といいます。